前回に続き、逆に考える話、その2です。
逆に考えるのって本当に難しいんですが、ある意味で逆に考えるっていうことは「ひねくれ者」の考え方なわけです。
だから、逆に考えない=純粋な考え方、という見方もできるわけで、逆に考えられないヒトが多いのだとしたら、それは純粋なヒトが多いってことになるのかもしれません(私みたいなひねくれ者は少数っていう言い方もできますけど)。
でも、純粋すぎるヒトは時に他者を傷つけることがあるのと同じで、純粋な考え方をし過ぎると結構危ないんですよ、試験では。
例えば、大学では疾患Aについて、こんな症状が出るよ、こんな検査結果になるよって講義をします。
獣医系大学に限らず、疾患に関する講義であれば、ほぼ全員と言っていいほど多くの教員が「疾患A→症状・検査結果」という流れで講義するのが定番中の定番なんです。
だからなのかもしれませんが、学生は何の疑いもなく、純粋な捉え方、考え方で講義を聞いちゃうんですけど、これが落とし穴なんですよね。
だって、臨床では症状や検査結果から疾患を疑う能力が必要なんですから。
つまり講義では「疾患A→症状・検査結果」という流れで学ぶのに、臨床では真逆の「症状・検査結果→疾患」という考え方を必要とされるわけです。
この違いって、すごく大きいんですよね。
例えば糖尿病の症状は多飲多尿であると学んだ学生がいたとします。
その学生に「多飲多尿を示す疾患を思いつく限り言ってごらん」と言えば、十中八九黙っちゃうんです。
要するに「疾患A→症状・検査結果」で学んだ学生は、真逆の「症状・検査結果→疾患」で問われると、驚くほどもろいんですよ。
「疾患A→症状・検査結果」で学んだら、必ず逆に考えて「症状・検査結果→疾患」で復習するのが重要で、これが勉強の鉄則だと思ってるんです(あくまでも個人的な鉄則で、世界共通じゃありませんのであしからず)。
でも多くの学生がこの鉄則を知らず、逆に考える、逆に学ぶ癖を身に着けていないせいで、苦労してるんです。
ほんと、もったいないんですよね。
せっかく実力があるのに、純粋すぎると損することもあるんです。
時には逆に考える、ひねくれ者と言われようが、色々な角度から物事を考えてみる、こういうテクニックを受験生には必ず身に着けてほしいものです。
ちなみに、ひねくれ者の私は「疾患A→症状・検査結果」、「症状・検査結果→疾患」のどちらでも講義をしちゃう、数少ない人間です。
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