69回国試振り返り~学説A編~

今日は第69回獣医師国家試験の学説Aを振り返ってみたいと思います。

 

ちなみに学説Aの点数が合格の最大のカギを握っていると言ってもいいくらい、めっちゃ大事です。

 

理由は二日間にわたる試験の最初であるため、ここで出来が悪いと、精神的に後の試験に影響してしまうからです。

 

また解剖学、生理学といった多くの受験生が苦手にしている基礎科目が入っているため、なかなか点数を稼げないってこともポイントです。

 

とにもかくにも、初日の学説Aの出来が良ければ「いけたな」って感じになりますが、逆は相当精神的に追い込まれるってことになります。

 

ですから、ぜひ学説Aの科目できちんと点数を取れるように勉強しておきましょうね。

 

では学説Aを振り返ってみましょう。

 

解剖、生理学などの各科目の出題数、選択肢の組み合わせなどは、ほぼ例年と変わりませんでした。

 

難易度は例年より「やや易」で、例年以上に「これって必須問題じゃないの?」ていう正答率の高い問題が検査などの問題で多かったような気がします。

 

獣医師国家試験は簡単に言いますと「受験生の大多数が正解する問題をミスなく正解して、少しだけ難易度の高い問題を正解すれば合格」っていう試験です。

 

不合格になってしまった方の多くが「難しい問題を正解できなかった、だからそこを勉強しないと」って勘違いするんですけど、不合格の方は間違いなく「多くの受験生が正解する問題を、間違っている」のです。

 

ですから現役生も、既卒生も難問を勉強する前に「お約束の正答率の高い問題を確実に正解する」ことを目標に勉強をスタートさせてください。

 

おっと話が逸れてしまったので、戻しましょう。

 

全体的に「なんじゃこりゃ?」という問題はなく、過去問で出題された知識を手を変え、品を替え、ほじくりまわして違う問題にしたっていうのがほとんどです。

 

ですから過去問、とくに過去5年分をしっかりやっていれば、ほとんどの問題が正解できたと思います。

 

国試研のVシステムは過去問を搭載したシステムですから、Vシステムをやりこんだ方は簡単だったことでしょう。

 

気になった点をあえて言えば、なんですが、問49で志賀潔が出題されています。

 

過去には北里柴三郎も出題されましたね。

 

こういう問題を「そんなの知らねえよ」っていう受験生多いんですけど、こういう問題、じつは個人的に大スキです。

 

温故知新っていうんですかね、先人のおかげっていう謙虚な気持ちを持ち続けないと、やっぱり駄目なんですよ。

 

そんなの知ってても、仕事でつかえないよと考えるのではなく、精神論になっちゃうんですけど、結局、獣医師もヒトですから、仕事で出会った方に好かれないと、やっぱダメです。

 

ぶっちゃけ、現在獣医師として働いている人のほとんどは、自分で確認して結論に至った知識ではなく、他人様の業績を使って仕事しているはずです。

 

他人のふんどしで相撲取ってるくせに、偉そうに自分の知識みたいに思う獣医師にはなってほしくないんで、こういう歴史の知識問題は「ウェルカム」です!!!

 

今度、機会があったら、このブログで「おすすめの書籍」を紹介しますね。

 

ジョン・スノウやジョン・ハンターの本とか、超おもしろいんですよ・・・って、また話逸れちゃいましたね(スイマセン)。

 

ここからは宣伝になっちゃうんで、良かったら読んでください。

 

5つの選択肢のうち、1つや1つの記述が的中したなんて言ってたら、ほとんど全部の問題がズバリ的中になっちゃいますので、ここでは「設問文の内容」と「選択肢の内容と正解選択肢」の2つが同じだった場合、ズバリ的中と言って自慢したいと思います。

 

問22セロトニンの前駆物質は?という問題は楽々に同じ問題が搭載されています。ズバリですね。過去問にもなかったと思うんで、自慢してもいいでしょう。

 

問35、問36の計算問題はVシステム、楽々、そして国試研全国模試の過去問、すべてに同じ計算を要求する問題がありますので、これも自慢していいんじゃないでしょうか?

 

次に問45の羊のスウェイバック、これは大々的に自慢させてください!!!

 

本番1か月前に行った国試研第12回全国模試の問題、ズバリ的中させちゃいましたよ(やったね)。

 

以下が模試の問題と解説です。

 

問:子羊のスウェイバック(swayback)の原因として適切なのはどれか。

 

選択肢:鉄欠乏|亜鉛欠乏|銅欠乏|鉛欠乏|セレン欠乏

 

解説:子羊のスウェイバック(swayback)の原因は銅欠乏です。銅欠乏は人を始めさまざまな動物に諸疾患を引き起こしますが、動物ではスウェイバック(swayback)あるいは地方病性運動失調症がよく知られています。スウェイバックは1937 年にBennetts らによって報告された子羊の先天性の銅欠乏症で、出生時より沈鬱、頭部反転動作、震戦、運動失調などの症状を示す疾患です。大脳白質に主座する軟化巣と空洞形成が特徴病変で、生後数日以内に死亡します。

 

次は第69回獣医師国家試験学説A問45の問題です。

 

問:欠乏により、めん羊、山羊、豚などの幼獣の地方病性運動失調症やスウェイバックの原因となる無機質はどれか。

 

選択肢:鉄|カルシウム|銅|鉛|セレン

 

どうですか?自画自賛ですけど、解説もシンプルで要点をついていて、いいですよねえ(笑)。学生さんのつくる解説は、なんでもかんでも加えちゃうんで、量が膨大になるわ、結局何が大事なのかわからないわになっちゃいますが、国試研はそぎ落としますから・・・バッサ、バッサと。

 

だから覚えやすいと思いますよ。

 

もちろん、切り落としすぎて失敗することもありますが、そこのさじ加減に挑戦するのがプロの仕事ってやつなんですよね。

 

さて、あとの問題では問67連続性雑音、問69ビタミンK依存性血液凝固因子の問題もバッチリでしたね。

 

問67なんかVシステム、楽々ともに選択肢の5つの病名まで完全的中。

 

はっきり言って、同じ問題なんです(問題漏えいではありませんので、ご安心を)。

 

ちなみに問67と問69はお約束の知識ですから、知識内容としては、あまり自慢できないのですが、前述したように多くの受験生が正解するこういった問題を、確実にゲットすることが、ほんと合格には大事なんです。

 

それから問67と問69は製本テキストの「実地対策マニュアル」でも、ズバリ的中させてますね。

 

さて、次回は学説Bを振り返りますので、お楽しみに!!!