目的と手段を間違える

さて、6月になりました。

 

天気に文句を言っても仕方ありませんが、ジメジメした梅雨は好きになれませんね。

 

世間ではアメリカンフットボールのプレーでもめていますが、この件をお手本にして「目的と手段」について考えてみたいと思います。

 

この「目的と手段」の話は、事あるごとに、口を酸っぱくして、しつこいくらいに、何度も何度も(笑)説明しているのですが、いまだに混同している人が多く、とっても悲しいです。

 

ぜひ、アメフト関係者のみなさん、じゃなくて、獣医学生のみなさん、このブログを読んでくださいね(笑)。

 

目的を達成するために、手段があります。

 

当たり前ですが、手段には複数の手段があり、目的を達成するためにはどの手段を使うかが問題とはなりますが、目的が達成できれば手段はどれでも良いともいえます。

 

ところが、いつの間にか、手段が目的にすり替わってしまう人がいます。

 

本人はすり替わってしまったことに、ほとんど気づかず、おかしいと思わないところがやっかいで、普段から自ら考えることをせず、思考停止状態が常態化していると、よくやってしまうミスです。

 

アメフトに限らず、スポーツを行うこと、それ自体は目的にはなりえません。

 

アメフトを行うことや、スポーツを行うことは手段にすぎません。

 

また、試合をすることや、勝つことなども当然ですが、目的になどなりえません。

 

試合をすることは手段にすぎず、勝ち負けは手段を実行する過程にすぎません。

 

目的は人それぞれでしょうが、アメフトという手段をとり、真の目的(例えば体や心を鍛える、一生の友人を得る、人生を豊かにするなど)を達成することが大事であり、アメフトをすることや、チームを維持することや、試合に勝つことなど、真の目的になりやしません。

 

試合に勝つことを目的にしてしまうと、反則をしてまで勝とうという手段を取ってしまいます。

 

でも、体や心を鍛える、一生の友人を得る、人生を豊かにすることを目的にしていれば、反則をしてまで試合に勝つことを手段として取るバカはいません。

 

反則をしたら、心は汚れますし、体は怪我しますし、人に嫌われるでしょうし、人生には悔いが残るでしょうから。

 

では、クイズです。

 

獣医師国家試験に合格することや獣医師になることは目的ですか、それとも手段ですか?

 

そう、獣医師国家試験に合格することや獣医師になることは手段にすぎません。

 

では、獣医師国家試験に合格することや獣医師になることを目的にしてしまうと、どうなるのでしょうか?

 

反則をしてまで試合に勝とうとする(カンニングや問題漏えいをしてまで合格しようとする)バカな人間がでてきたりするわけです。

 

カンニングして獣医師になっても、実力がないんですから、なんの意味もないですし、本人は一生負い目を感じて獣医の仕事をすることになるのでしょうから、きっと後悔する人生が待っているでしょう。

 

受験生のみなさん、獣医学生の皆さん、今一度以下、自問自答してみてください。

 

・なんでも暗記に頼ったり、試験直前に詰め込む勉強をするのは、試験に合格することを目的にしているからではありませんか?なんでも暗記に頼ったり、試験直前に詰め込む勉強をするのは、真の目的を達成する手段として正しいでしょうか?

 

・参考書、教科書、資料、Vシステムなどを用意することは手段ですか、目的ですか?用意することに満足し、いつしかそれを持つことが目的にすり替わっていませんか?

 

・獣医学生の皆さん、獣医系の大学に入ることが目的になってしまっていませんか?

 

自分で考えましょう。

 

真の目的は何なのかを。

 

 

 

 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    へっぽこ (月曜日, 13 2月 2023 13:15)

    暗記科目がすごく苦手なわたしにとっては、どうしても解剖学や魚病学などは覚えられませんでした。
    センター試験の世界史もそうでした。

    社会人になれば、薬用量などは診察室で調べ直しても大丈夫ですので、獣医師の国家試験に受かるため、また定期試験をクリアして一つ上の学年に行くためなら、カンニングもOKかなと思ったり。。。