桔梗あれこれ

近所を散歩していると、梅雨時ですからアジサイがきれいですが、その陰にキキョウ(桔梗)が咲いていました。

 

左の紫色の花が桔梗の花ですね。

 

 

そう、獣医師国家試験出題基準の出題範囲である有毒植物のひとつが桔梗ですから、受験生は勉強しなくちゃいけません。

 

机に向かうばかりが勉強ではなく、フィールドでも学習できるので、ぜひ街を歩く際には探してみてください。

 

秋の七草のひとつらしいんですが、一般的には6月ごろから秋にかけて開花するそうですが、東京では6月に一番咲き誇るように感じてます。

 

まず花の特徴からですが、なんといっても桔梗と言えば美しい紫色、桔梗色と言われるほど上品、気品あふれる紫が特徴的です。

 

でも、気をつけましょう。

 

私はみたことないんですが、園芸種の桔梗では白花やピンク花もあるそうなので、色ではなく花の形をちゃんと覚えましょう。

 

花は開花すると綺麗な星形(スター)をしています。

 

そして開花前は風船のような蕾を見せるため、英名をバルーンフラワーというんですが、これはかなり特徴的なので、開花している花の近くに風船状の蕾がみえたら、桔梗だと思って国家試験的にはOKです。

 

桔梗の主な毒成分はサポニン、つまり消化器毒ですね。

 

嘔吐、下痢などの典型的な消化器症状を起こしますが、毒のメインは桔梗の根っこです。

 

根っこの見た目が朝鮮人参に似ているので、高価な朝鮮人参と勘違いして食べちゃう食中毒事故がヒトでは、まれに起こるようです(欲をかくとよくないですのう)。

 

有毒植物が趣味なため、一度桔梗の根っこをこの目で見たくなっちゃって、数年前栽培し、開花したら花には見向きもせず根っこを掘ってゲットしたのですが、確かに朝鮮人参そっくり。

 

なるほど、こりゃ置いといたら間違えて盗むヒトでるわ、と納得した次第です(笑)。

 

ちなみに、ちゃんと桔梗の根っことして使うと、これは立派な漢方薬でして、下剤として使えます。

 

間違えちゃうから中毒事故なわけで、わかって使えば生薬です。

 

そうそう、知らなかったんですが、桔梗は現在、絶滅危惧種らいしんですよね。

 

もともとは草原に咲くらしんですが、その草原がどんどんなくなっているのが原因とか・・・獣医師として生物多様性の観点から、これはほっておけません。

 

今度は根っこは無視して、ちゃんと育てよっかな?

 

ちなみに桔梗は縁起がよいらしく、漢字の右の作りから「さらによし(更に吉)」と読み、縁起を担いだため、家紋にも使われているそうな。

 

その代表が・・・明智光秀!!!!

 

裏切り者の代名詞で、ちっとも縁起よくないじゃんって感じですが、明智家の家紋は桔梗なんですよね。

 

それから桔梗と言えば、桔梗屋ですよ。

 

えっ?知らないって?

 

山梨県人に怒られちゃいますよ。

 

桔梗屋と言えば、信玄もちのメーカーさんです。

 

受験生は信玄もちを食べる度に、またお土産でもらうたびに、桔梗を思い出し、勉強しましょうね。