突然ですが、クイズです。
日本三大七味唐辛子のある都道府県はどこでしょうか?
・・・知りませんよねえ(知りたい方はネットで調べてね)。
これ、実際に数年前、夕食の席で我が子に出題されたクイズなんです。
なんでもテレビでやっていたクイズで、さすがにこれはお父さんも知らないだろうと、私以外の家族が一致団結し、ギャフンと(古いか?)と言わせたいがために出題したクイズなんです。
ちなみに正解しちゃいました。
別に雑学王でも、クイズ王でもありませんけど。
子供たちが「なんだ、知ってたんだ」と言いましたが、「全然知らないよ」と答えました(だってほんとに知らないんだから)。
私の頭の中では七味唐辛子を売っている場所と言えば神社仏閣イメージの山門前だから、きっと有名な神社仏閣の場所と一致しているに違いないと推測したら、たまたま3つ正解だっただけなんです。
で、今回の本題です。
フェルミ推定って知っていますか?
ノーベル物理学賞を受賞したフェルミさんの名前をとったものですが、簡単にいうと「調査するのがむずかしい量を、手がかりをもとに推論する」っていう意味です。
実際にフェルミさんが出題したのが「アメリカのシカゴにピアノ調律師は何人いるか?」というものです。
そんなん、知らねえよ。で終わってしまうような問ですが、いくつかの手がかりをもとに推論してみるわけです。
で、当然ですがピッタリ正解できるわけではなく、私見ですが「知らなくとも推論する能力を身に着けよう、鍛えよう」という意味だと思います。
獣医師国家試験も同じです。
成績の良い受験生は何でも知っているわけではなく(もちろん知識も豊富なんですが)、フェルミ推定が得意だからの成績が良いのだと思うのです。
一方で、成績がいまいちの受験生は国家試験を「知っている、知らない」「覚えている、覚えていない」でしか見ておらず、フェルミ推定をする努力が少ないのだと思うんです。
「こんな問題知らねえよ」と文句を言う学生は後者で、「知らないけど、たぶんこれが答えなんじゃないかな」と考えるのが前者です。
日常、獣医師国家試験の受験生に能力差はそんなにないと思っています。
裏口入学していない限り、記憶力・暗記力も大差はないでしょう(だって入学できて、学力があるって認められたんだから)。
その学生で差がつくとしたら・・・・理由の一つがフェルミ推定の差だと思うんですよね。
別の言い方をすると、解剖、生理、内科、外科、公衆衛生、といったすべての受験科目が別の科目だと思って、別々に覚えようとするのがフェルミ推定しない学生。
すべての科目はつながっていて、他の科目で覚えたことは別科目で応用できないかなあと常に考えるのがフェルミ推定の癖がついている学生。
とにかく獣医師国家試験の範囲は広いんですよ。
全部覚えようとすると、かなり無理があるんですよね。
だからいかに持っている最低限の知識で、応用して正解を導き出すか(フェルミ推定をして正解を導き出すか)がカギを握っていると思うんです。
成績が伸び悩んでいる方の参考になれば幸いです。
余談ですが、先日、日本で一番有名な大学の医師国家試験合格率がなぜ低いのか、といった記事がありました(新聞?ネット?忘れちゃいましたけど)。
大学受験までは基本、暗記能力がかなり重要なんですよね。
でも医師国家試験なんかは、フェルミ推定の能力も問うているんじゃないでしょうかね?
獣医師も大学時代成績が良くても臨床いってぱっとしない人もいて、成績が悪くとも臨床で花開く人もいて、おもしろいですよね。
もしかしたら臨床獣医師にはフェルミ推定の能力が必要なのかもしれませんね。
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